東京フィルハーモニー交響楽団
聴衆熱狂!東京フィル 韓国・釜山公演


2005年5月11日、日韓問題で揺れる韓国・釜山(プサン)において開催された、「東京フィルプサン公演」は熱狂的な聴衆の賞賛を浴びた。多くの文化交流が中止になる中、一時は開催も危ぶまれたが現地主催者「プサン放送」の、「こんな時こそ韓日の音楽家が純粋に音楽を創り上げることが重要だ」という現地の熱意によって開催にこぎつけることができました。聴衆を熱狂させたツアーの模様をここにご報告いたします。



指揮:オ・チュングン ソプラノ:高橋 薫子 ヴァイオリン:キム・ドンウク

曲目


  韓国の英雄=チョン・ミョンフンの率いるオーケストラということで、東京フィルに対して、とても親しみもあり、前回(2003年11月/指揮:チョン・ミョンフン)同様、今回も熱狂的な聴衆の歓迎を受けた。客入りは8割程度、1階は満席。日本総領事館の領事の話によると、「釜山の人たちにとっては、大変高いチケット値段(1万5千円)にも関わらず、これだけ人が入ることは、大成功です。」とのこと。

  韓国の指揮者とソリストに日本の歌手とオーケストラが一体となれるオーケストラ公演は、最後のアリラン(編曲は北朝鮮の人、指揮者は南の韓国、オーケストラは日本)の演奏で、会場で涙を流す方もいたことに象徴されるように、本当にひとつに響きあい、熱狂的な拍手で大歓迎を受けた。音楽に国境はない音楽の力というものをあらためて感じた一夜だった。

 「音楽には敗者も勝者もない。感動を共有し、一体感が全てを支配する」舞台と客席が一体となった会場は、
「こんな時こそ韓日の音楽家が純粋に音楽を創り上げることが重要だ」というまさにそのことが正しかったことを
証明することとなった。


写真:右からプサン市街地の様子、 プサンから見た海岸、 演奏会場のプサン文化会館


写真:右からホールに掲げられた公演の垂れ幕、 当日券売り場の長蛇の列、 リハーサルの様子


写真:右からゲネプロの様子、 本番の様子、 公演終了後のレセプションの様子



各方面からのコメント


■ 韓国・釜山日報(2005年5月12日付 第25面)



-----------以下記事の日本語訳-------------

  11日午後7時半、釜山文化会館大劇場において開催された東京フィルハーモニー交響楽団の来韓公演は、文化を舵として漕ぎ出して行けば、玄界灘の波は高くないということをありありと見せて<れた公演であった。

  熱情のるつぼを演出したこの日の音楽会は、オー・チュングンという新たなスター指揮者の誕生を予告し、気を吐いた。釜山放送と釜山日報が開催した東京フィルハーモニー交響楽団の来韓公演は、叙情と希望が交差するチャイコフスキーのスラブ行進曲により爽やかなスタートを告げた。独島(竹島の韓国語表記)や教科書問題により、客席からの大きな反応を期待できないのではないかという懸念があったが、指揮者オ・チュングン(コシン大学校教授。釜山シンフオニオケストラ常任指揮者)と東京フィルのハーモニにより、開幕早々からその懸念は崩された。

  藤原歌劇団のスター歌手であるソプラノ高橋薫子は、ヴェルディのオペラ「リゴレット」やグノーのオペラ「ロミオとジュリェット」の歌曲を、自らの清雅な声を楽器として奏で、アカデミックな声楽の世界を見せた。チョ・ドゥナムの歌曲「セタリョン」に至っては、声が更に力強くなり客席深く吹き届いた。釜山市立交響楽団楽長のバイオリニストであるキム・ドンウクぱラヴェルのツィガーヌを特有の演奏法で見せた。同日の公演のメインであったチャイコフスキーの交響曲第5番は、色彩感あふれる管楽器により更に輝いた。

  指揮者オ・チュングンは、力強い自らのコードにより終始演奏をリードし、熱情の音楽世界を客席に届けた。音楽評論家であるイ・ガンスク韓国芸術総合学校客員教授は、指揮者・チュングンに注目し、「韓国音楽の新たなスター誕生」であると指摘し、重鎮音楽家のチェガル・サム元釜山大学校教授は、「オーケストラを完全に掌握した指揮」であると述べた。アンコールに登場したアリラン(北朝鮮の作曲家チョ・ソンファン編曲)は、韓国と日本の不幸な現在を縛麗に洗い流して<れる演奏であった。


■ 主催者 釜山放送社長:Y.K.Park氏

―――― この度の公演を迎えるにあたってお話ください

  釜山は韓国で第2の都市ですが、ソウルと違い、まだ文化水準はあまり高くありません。また世界的に有名なアーティストたちは、ソウルでの演奏会は多いですが、釜山市民がそのような一流のアーティストたちの公演に接する機会は少ないのです。この度、プサン放送は10周年を迎えますが、文化的な役割として社会に何ができるか?ということを考え、世界的なオーケストラ東京フィルハーモニーの演奏会を企画いたしました。この度の演奏会では、大勢の人がご来場下さいますが、一人一人がみんな感動を覚え帰って下さったと確信しております。

―――― 一度も中止を考えなかったか?

  竹島問題が大きくなった時、検討会議を開きました。でも、私たちは文化の交流で問題はない、と判断いたしました。指揮者、ヴァイオリニストは韓国人、ソリスト、オーケストラは日本人。これまでは、海外から世界的なアーティストを招聘するだけでしたが、今回のように、韓国と日本のアーティストが交流し、一緒に演奏会を創り上げていくという所が、今までにない一番の魅力であり、韓日の音楽交流が新たに発展していくことを願
っています。


■ ヴァイオリニスト:キム・ドンウク氏
  世界のトップオーケストラと共演でき、多くのことを学びました。とても真剣にそして新鮮な気持ちで演奏する
ことが出来ました。音楽の神と尊敬しているマエストロ・チョン・ミョンフンのいるオーケストラと共演できたこと
を誇りに思っています。音楽は世界共通の言語です。政治的に難しいことがあっても、それを乗り越えること
が出来ると信じています。


■ プサン放送アナウンサー:Hwang・Pom氏
  高橋薫子さんが歌った最後の曲は韓国の曲で、日本のオーケストラと日本人のソリストで、どういう風になるかと思いましが、実際に聞いてみて、日本人が演奏しているということを忘れるほどすばらしかったです。 今、竹島問題で日韓関係が悪化していますが、こういう文化を通じてひとつになっていければいいと思いました。


■ 在釜山日本総領事館の池田領事
  韓国の人たちは、自分たちの英雄チョン・ミョンフンのいる、世界的な日本のオーケストラと、東京フィルに対して、とても親しみを持っています。演奏は素晴らしく、アリランは何度もよく聞きますが、久しぶりに鳥肌が立ちました。プサンにあたたかい風が流れてきたと思いました。本当に感激いたしました。11月もこのあたたかい風を流してほしいです。ありがとうございました。友情年の企画として本当に素晴らしいものになったと思います。


■ 後援者の話:J.J.Je氏
  私はプサンシンフォニーの顧問をしています。アリランに感銘を受けました。この度のアリランは北朝鮮の方がアレンジ、指揮者が南の韓国、そして演奏は日本のオーケストラ。音楽は世界共通言語です。今回そのことを強く感じました。

출처: 동경 필하모닉 오케스트라
2007/01/28 02:23 2007/01/28 02:23
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